私は昨年まで札幌に単身赴任していました。
単身赴任される人の中には、
「どうせひとりで住むのだから、場所や物件なんてなんでもいい」
なんて思っている人もいるかもしれませんね。
私もそうでした。
札幌転勤を命じられた私は、札幌には単身赴任になることがハッキリしていたので、ひとりで住むならどこだっていいやって思っていました。
そして、実際に物件探しは札幌の後輩にお願いし、札幌着任まで一度も札幌には行きませんでした。
物件は新築で、とてもきれいで場所的にもよかったのですが、実際に生活してみると、やはり自分でもう少しいろいろと調べてから決めればよかったと思うことがありました。
今回は、札幌での単身赴任経験者として、これから札幌に単身赴任される人に向けて、札幌に住むのにおすすめのエリアと物件、環境について紹介いたします。
どこに住むかを検討する
はじめての土地でどこに住べばいいか、誰でも悩みと思います。
これは札幌に限った話ではないと思いますが、札幌ならではの条件を付け加えることをおすすめします。
札幌というか、北海道といえばなにを思い浮かべますか?
・・・。
正解は「雪」。
まあ、正解なんてないんですが、でも、札幌で暮らすことを考えた場合、雪とは切っても切れない関係になります。
雪国で暮らしたことがない私にとって、雪は面倒で恐怖でしかありませんでした。
東京で少し雪が積もった道を歩いただけでスっ転んでしまう私にとって、雪はとても怖いものです。
また、大雪や吹雪けば、雪に慣れているはずの札幌も混乱します。
JRは遅れたり、場合によっては止まったり、飛行機だって大雪で滑走路の除雪が追い付かないときや吹雪いていたら、遅れたり、場合によっては飛べなくなることもあります。
道路も混雑します。
札幌の道路は道幅が広いんですが、冬は除雪した雪を路肩に集めるため、一車線通れない道路が多いです。それで渋滞します。
前置きが長くなりましたが、私が考える札幌の住まい探しの条件をお伝えします。
1.エリア
・通勤に便利
・自宅に帰宅するときに便利(道外から単身赴任の場合)
2.物件
3.環境
「札幌ならではの条件ってなんじゃ~い!」
こんなお叱りを受けそうですが、この条件それぞれに雪国での生活を考えて検討するべきです。
順番に紹介していきます。
住まいのエリアを決める
通勤の前提
通勤を考えた場合、住居から会社までどのように手段で通勤するかを考えます。
今回は、下記の前提で検討します。
通勤の前提
1.札幌駅周辺から大通り周辺に通勤することを想定します。
2.車で通勤する場合は想定しません。
3.バスでの通勤は考えません。
札幌の鉄道路線
札幌の鉄道は、JRと市営地下鉄の2つです。
市営地下鉄には、東西線、南北線、東豊線の3路線が走っています。3路線が交わる駅は「大通駅」だけでです。地下鉄「さっぽろ駅」は、南北線と東豊線が交わっていますが、東西線は通っていません。
地下鉄「さっぽろ駅」は、JR「札幌駅」と地下で連絡しています。
東西線は「さっぽろ駅」は通っていませんが、「大通駅」からJR札幌駅までは地下道でつながっています。距離は詳しくはわかりませんが、徒歩10分程度です。
JRと市営地下鉄が連絡している駅は、JR「札幌駅」と地下鉄南北線・東豊線「さっぽろ駅」、JR「新札幌駅」と地下鉄東西線「新さっぽろ駅」です。
市営地下鉄とJRの路線図を見ると、JR「白石駅」と地下鉄東西線「白石駅」、JR「琴似駅」と地下鉄東西線「琴似駅」という駅が同じ名前なので連絡していそうですが、実際にはそれぞれの駅は、地下で連絡はしていませんし、駅間の距離も少し離れています。
JRか地下鉄か?
まずは、住まいの最寄り駅から会社まで、どのように通勤するかを考えます。次に、JRにするか地下鉄にするかを検討します。
はじめにおすすめを言ってしまいます。
どちらから選ぶのがいいかというと、断然地下鉄です。
正直言って、今回の通勤の前提”札幌駅周辺から大通り周辺に通勤することを想定”であれば、JRでも地下鉄でも通勤できます。
しかし、冬のことを考えると地下鉄がおすすめです。
なぜなら、冬の北海道のJRは遅延があたり前のように起こります。雪に慣れているはずですが、それでも遅れます。大雪や吹雪のときは電車が止まることもあります。
しかし、地下鉄は遅延がめったに起こりません。というか、私はほとんど経験しませんでした。
JRと地下鉄で比べるなら地下鉄の路線を選び、その上でどの路線にするかを検討しましょう。
自宅に帰宅するときに便利なエリア(道外から単身赴任の場合)
札幌の住まいを考えた場合、まずは勤め先に近く、できれば乗り換えなしで通勤できて、その上、住まいの最寄り駅から近い物をと考えると思います。
それに加えて、単身赴任者なら新千歳空港へのアクセスも考えた方がいいです。
単身赴任で札幌に住む人の場合、個人差はあるとは思いますが、月に何度か、もしくは、数か月に何度かは自宅に帰ることがあると思います。
これはあくまでも道外から単身赴任した場合ですが、自宅に帰る頻度から多いなら、勤め先に近いことに加えて、なるべく新千歳空港に近いところ、近くなくてもアクセスがいいところに住むことをおすすめします。
やっぱり、空港までのアクセスが悪いと帰宅も面倒になってしまうと思います。面倒とは言わなくても、結構負担になります。
加えて、冬であれば交通機関は、東京に比べると雪に強いのですが、それでも、大雪が降ったり、吹雪いていたりすると電車は遅延しますし、ときには止まります。
バスを利用する場合、大雪で高速道路が閉鎖されれば、バスの運行にも支障がでます。
大雪や吹雪で飛行機が欠航になることもありますが、それでも新千歳空港までが近いと何かと便利ですし、安心です。
札幌で単身赴任するならこのエリア
というわけで、おすすめの地下鉄路線と駅をピックアップします。
地下鉄路線は、東西線がおすすめです。
今回の通勤条件は、札幌駅周辺から大通り周辺であることを踏まえると、東西線「大通駅」から「新さっぽろ駅」方面の駅がおすすめです。
この区間には駅が11個ありますが、職場の最寄駅までの乗換えや通勤時間を考えます。
東西線はJR「札幌駅」には乗り入れていませんが、「大通駅」から地下道でつながっており、徒歩10分くらいです。
地下道ですので、雪の影響も受けずに通勤できます。
実は私は、東西線「大通駅」から反対方面になる東西線「琴似駅」から徒歩2分くらいのところに住んでいたのですが、新千歳空港に行くときも新千歳空港から住まいに戻るときも、なんとなく遠く感じていました。
JRにも「琴似駅」があるのですが、東西線「琴似駅」までの距離は1キロくらいはあるので、歩くと10分程度かかります。
通勤には便利だったのですが、帰宅することを考えると東西線の「新さっぽろ駅」方面で探せばよかったと思っています。
おすすめ物件の条件
エリアを決めたら次に物件を検討します。
私が考える札幌で単身赴任する場合の物件の条件は以下の通りです。
1.なるべく新しい物件
2.自分の部屋の上下に居住者がいた方がいい
3.なるべく南向き
順番に紹介します。
なるべく新しい物件
新築物件が人気なのはどこでも同じかもしれませんが、札幌で部屋探しをするならできたら新築、新築でなくてもなるべく新しい物件をおすすめします。
札幌の冬は寒いです。
どれくらい寒いかというと、自宅に帰宅したときなど、しばらく部屋を空けたときなんか、部屋の温度が2度くらいまで下がっていることもありました。
私の部屋は、新築で2階の南東の角部屋でした。その上、部屋の下は駐車場でしたので特に冷えたようです。
部屋は二重サッシで、石油ファンヒーターも完備していたので、暖かくすることはできましたが、やっぱり、しばらく部屋を空けるとすごく寒かったです。
そして、札幌の物件で冬に注意しなければならないのは水道管の凍結です。
幸いにも私は水道管を凍結させることはありませんでしたが、物件選びの際は対策が施されている物件があれば、迷わず選ぶことをおすすめします。
とはいっても、単身赴任の部屋ではそんな物件は限られているかもしれません。
でも、新しい物件ほど設備も新しいので、水道管に凍結防止用ヒーターや保温材が巻かれているなどの対策が施されている物件もあるようです。
ですので、なるべく新しい物件で、かつ、凍結防止対策が施されている物件をおすすめします。
私の部屋は新築だったのですが、凍結防止対策が完全ではなかったようで、入居の際、「冬は水落としをしてください」と言われました。
「水落とし???」
「水落とし」なんて言葉は聞いたことがなかったのですが、「水落とし」は水道管の水をすべて抜くことと説明を受けました。「水抜き」とも言うようですね。
私は水道管が凍るほど寒いところに住んだことがなかったので、はじめて「水落とし」をするときは管理会社の人にきてもらって、やってもらいました。
当然ただではありませんでしたが、やり方を教えてもらえたので、その後は自分で「水落とし」をやるようになりました。
「水落とし」はとても面倒で、水道の元栓を閉めてからシンク、風呂(シャワー)、洗面所、給湯器、トイレの水をすべて抜きます。
そのとき、シンク、風呂(シャワー)、洗面所、給湯器、トイレの蛇口や栓を開けて水が出なくなるまで出すだけではなく、それぞれの元栓のネジを緩めて中の水を完全に抜く必要があります。
「水落し」を教えてくれた管理会社の人は、ホースで空気を送り込んでいました。私はそこまではやりませんでしたが・・・。
何度も「水落し」を繰り返していると、私のやり方が悪かったためかネジがかたくなってしまい、ネジの具合が悪くなってきました。
きっと、古い物件だとネジがもっとおかしくなっているものもあるかもしれないと思ったので、なるべく新しい物件で、できたら新築をおすすめします。
自分の部屋の上下左右に居住者がいた方がいい
普通、部屋を探すなら角部屋が人気だと思います。
私の部屋も角部屋でした。
でも、これから私が札幌で部屋探すなら、上下左右に部屋がある部屋を選びます。
なぜなら、上下左右の部屋に人が住んでいれば、熱が伝わることで部屋の温度が下がりにくくなるからです。
実際、札幌にひとり暮らししている人に聞いてみると、その人の部屋は上下左右に人が住んでいるため、部屋の温度は下がりにくいようでした。
また、「水落とし」もやったことがないと言っていました。
マンションでは構造上、上下左右から熱が伝わり、在宅して部屋が暖かいと、熱が伝わることで、水道管も暖かく、凍結しにくいそうです。
まわりの部屋すべての人が長期間いない場合は、角部屋でも同じかもしれませんが、それでも可能性として、少しでも暖かく、水道管凍結のリスクが少ない部屋をおすすめします。
なるべく南向き
私は、札幌での部屋探しは会社の後輩に任せたのですが、北海道出身の何人かに物件選びの条件を聞いてみたところ、ほとんどの人が「絶対に南向き」と言っていました。
北海道以外でも部屋を探すとき南向きの物件を条件にすることは多いと思いますが、北海道では「絶対に南向き」がいいそうです。
でも、私の部屋は南東向きでした。
それで困ったことはありません。というかわかりまません。
しかし、洗濯物を干すとき、札幌の人は外に干す習慣がないようで、部屋干しがあたり前のようです。私の部屋には狭いながらもベランダがあったのですが、洗濯物を干すスペースはありませんでした。
ですので、昼間、部屋に日光があたりやすい南側に向いていた方が洗濯物の乾きはいいと思います。
おすすめ環境
自宅から近くに複数のにスーパーやコンビニがある物件
単身赴任だと、普段の買い物は休みの日や会社帰りに自分で行かなければなりません。
はじめのうちは外出も楽しいかもしれませんが、そのうち面倒になります。
買い物は住まいの近くですべてまかなえる環境であればとても便利です。
そこで、自宅から近くに複数のにスーパーやコンビニがある物件をおすすめします。
なるべく大きな道路に面した物件、細い道や路地の奥まった物件はNG
札幌は除雪が行き届いていますが、除雪した雪は道路脇に山のように積まれています。
大通りでも車が一車線通行できなくなるほどなので、細い道や路地などでは大変なことになていることがあります。
当然、歩行にも支障をきたすほどです。
雪道に慣れた人ならいいのかもしれませんが、私のように雪が苦手な人はなるべく大きな道路に面した物件を選ぶことをおすすめします。
大きな道路に面していると車の音が気になると思うかもしれませんが、札幌の物件は二重サッシなので、ほとんど気にならないです。
また、冬は道路に雪があれば車のタイヤの音もほとんど聞こえません。
ですので、なるべく大きな道路に面した物件をおすすめします。
最後に
今回は、札幌に単身赴任するならばどこに住むのがおすすめなのかを紹介しました。
転勤は不安なものですし、はじめての土地にひとりで住まなけらばならない単身赴任はもっと不安だと思います。
しかし、転勤は会社の命令ですので、行かないわけにはいきません。
とてもつらいと思いますが、単身赴任経験者としてひとつだけアドバイスをするとしたら、赴任地を知るためにも、いろいろと観光することをおすすめします。
気分転換になりますし、いい思い出にもなるでしょう。
私は札幌に単身赴任をしましたが、ひとりでは一度も観光をしませんでした。
観光をしたのは、単身赴任が終わり、引越しの準備に妻が手伝いに来てくれたときだけです。
でも、どこに行っていいかわからず、妻が調べてきたところにいきました。
せっかく札幌に住んでいたので、人におすすめの観光スポットくらいアドバイスできるようになった方がよかったと思っています。